読書会、開催
現代思想読書会の第一回は、冷泉荘B棟5FにありますNPO法人ドネルモさんに事務所をお借りして読書会を行いました。ドネルモさん、ありがとうございます。
さて、今回はピーター・ホルワード『ドゥルーズと創造の哲学 この世界を抜け出て』の序章と第一章を扱いました。
- 作者: ピーター・ホルワード,松本潤一郎
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2010/02/26
- メディア: 単行本
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司会太田、ご挨拶
最初に司会・コーディネータの太田からご挨拶です。
ドゥルーズということで、難しく考えがちですが、気軽に考えたこと、思ったことを発言できる会になればと思っています。最初に、文学フリマ福岡スタッフの古賀琢磨が序章と第一章の要約をしていますので、分からないことがあれば、彼に質問すれば何でも答えてくれると思います。
こんなことを言われますと、当然、要約発表者の古賀琢磨はビビりまくるわけですが、平静を装います。うまく出来ていたでしょうか……。
参加者、自己紹介
続いて参加者のみなさん、順々に自己紹介(写真はご許可の頂けた方のみを写しております)です。 色々な方がいらっしゃました。大学院生、社会人、フリーター、何やっているのかよく分からない人……。色んな立場、様々な動機から現代思想を自分たちで学ぼうと集まっていました。
要約発表前半
最初に序章と第一章について、文フリの古賀(琢)から要約を発表します。全体を読んできた人、今回の範囲だけを読んできた人、そもそも読んできていない人、色々います。
ちなみに、要約発表者は発表の直前、「正直、どのくらいのボールを投げて良いか分からなかった」と企画に参与したくせに泣き言を述べていました。神学や哲学の知識がないので、内容に反映させなかったりしました。実際に要約内容は分かりやすかったのでしょうか……。
質問
要約内容が伝わったかどうかについては、参加者の皆さんの質問の様子をみれば伝わるのではないかと思います。幾つかご紹介したいと思います。
- 神とスピノザについて、汎神論についての議論を飛ばしてしまうと、ドゥルーズの存在論を理解する上でむしろ分かりにくくなってしまうのではないか?マルクスとの対比を考える上でもその点は重要では?
- そもそも切子面ってどういうこと?
- 全ては神である、自己原因である、思考と物質が同じものであるってどういうこと?
- 一義性ってどういうこと?これから重要になってくるワードだからみんなで考えてみたい
- ドゥルーズが対峙しようとした哲学伝統って何なんだろう?
皆さん、精読の上でご参加くださいましたので、鋭い質問が繰り出されました。 そして、だからこそ、発表者が十分に説明できなかったり、曖昧にしか理解できていないことでも、参加者同士での教え合いが行われることで、理解が進んでいきました。 読書会の醍醐味ってこういうものですよね!
休憩
さて、ひとしきり質問が出た後で、後半までの休憩です。本当であれば、序章と第一章の要約を前半で終わらせて、後半ではテクストを読んで考えたことについて話をしたかったのですが、結構、がっつり内容に入りましたので、後半に第一章の途中からの要約を発表することになりました。しばし、ご休憩……。 休憩中に文フリ代表森元から、事務所をお借りしたNPO法人ドネルモについてお話をしています。 他にも参加者の方たちから他地域の文学フリマや文学フリマ福岡の感想を頂いたりしました。
要約発表後半
後半からは、第一章の続きです。発表者は変わらず、内容についてゆっくりとお話していきます。内容について理解する方が中心になっていることに安心して、「類概念と種差」について話をしてみたり、対自性を説明してみたりしています。よせば良いのに調子に乗って専門外のことに足を踏み入れています。雉も鳴かずば打たれまいに……。
質問一覧
発表者が変に調子に乗るとバリバリと質問が飛び交います。
- 発表者がここで「人がどういう風に考えて行動するか」に落とし込んで例に出してるけど、どうも、その語り方だとスピノザ的なコギトというよりもデカルト的なコギトに聞こえてしまう。分かりにくくなってる気がする
- 対自性に目覚めるっていう言い方は、近代的主体に目覚めるって意味に聞こえてしまう。むしろ、そういう主体を確立していくことではない道を進んでいく、まず即自性の水準から考えて行くっていうところからはじまっているのではないのでしょうか。
全体の雰囲気
こんな感じで進んでいきました。久しぶりに読書会に参加したのですが、発表者に大したことができなかったとしても、参加者同士の質問や分かりやすい説明、微に入り細を穿つ補足、時には熱い議論によって参加者全体で学び合う場になりました。発表を終えた今となっては、むしろ、大したことができなくて良かったとさえ思っています。 こんな感じのハードだけど、より多くの、ちょっとでも現代思想に興味のある人たちが学べる場を継続していければ、と思っています。第二回は第二章を読むことになりますが、第一回に参加していない方、序章や第一章を未読の方にも今回のレジュメを配布しますので、興味のある方は是非、ご参加ください。
(文責:副代表)