「文フリ福岡の作り方」⑥ キーパーソンとの接触(2) 話を聞く

文フリのようなイベントを開催する場合のキーパーソンの中には、これまでお世話になった人だけではなく友人もいます。みなさんも「お仕事」や「学校」などで仲良くしていた友人の中に「文芸に興味がある」「文学が人生だ」「文学がお仕事」といった人もいるのではないでしょうか。

例えば、古賀琢磨、今となってはフリーターですが、某大学の教養部みたいなところに、大学院生として所属していたことがあります。そこには文学を専攻している学生仲間などがいました。自身は別部門の劣等生ですので文学のことなどさらさら分かりませんが、周りにはその道のエキスパートが結構います。実はこの友人たちのうち何人かにSNSを通して連絡をとっていました。今回は、SNSなどで連絡をとった後、どんなお話をしたのかを紹介したいと思います。

 

古賀琢磨フリーターであるのは何度か言いましたが、彼の職場の1つは北九州にあります。そこでのお仕事の後に、小倉在住の文学研究者な友人Iさんと会う約束を取り付けました。

Iさんは福岡の文芸同人誌の状況などに詳しく、レポートまで書いてきてくれました。が、話し合いは飲み屋です。Iさんとは飲み友達だったので……。小倉の某居酒屋でお刺身に舌鼓をうちつつ、彼のレポートをもとに話し合いを行います。色々なことを聞くことができましたが、2点に絞ってどんな話をしていたかを紹介したいと思います。

①圏域を考える

「文フリ福岡」と銘打っているが、どの位の範囲で考えるべきなのか。全九州で考えれば文芸同人誌だけでも300誌はある。おそらく大きなイベントにすることが可能だろう。彼らにアプローチしたいと思えば、文学館、図書館などを利用すれば主宰者リストを作成することもできるかもしれない。一方で、この担い手はそれほどネットに親和性が高くない世代である。彼らに関わってもらえるようにするためには何らかの工夫が必要である。

②文学研究者を巻き込む

文学フリマには学術的軸がある。同人誌評をしているような研究者にご助力を仰げば、よりしっかりとしたイベントになることだろう。

この他にも話を聞くことができましたが、後々ご紹介していくことになると思います。

話を戻しますと、「ネット以外のメディア」を重視する、「学術研究者というアクターを活用する」という示唆は、他地方の文学フリマでも視野に入れておくと良いかもしれません。

ところで、「キーパーソンとの接触(1) SNS」ではネットを活用すると色々とはかどったりすることがあると書きました。その一方でネットではない方法でなければ届かない人たちもいます。ライフスタイルの違いなどから生まれるこの差異は、文フリだけではなく、多くの「お仕事」に関わるものかもしれません。

また、文芸同人誌が九州で300誌あるというのは重要です((。

文学フリマ福岡は最大100サークルのキャパで運営しております。それは福岡の外からも来て欲しいと考えているからです。しかし「参加者を30サークル程度」であると見積もり、かつ「自分の住んでいる地方の文芸同人誌を文学に詳しくない<地元の人>に届ける」ことを目標にするなら、文学フリマ◯◯といったイベントはそんなに難しくもないのだろうと思います。その際には、大学人を活用するという方法もアリだと思います。大学に生息している人たちは、奇人変人が本当に多いですが、割と気のいい人達ですし。

 

(文責・副代表)

 

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