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同人誌の作り方(3)──本文を作る・文字サイズ編

同人誌を作る際に、もっとも時間がかかるのは、なんといっても本文です。本の主要な内容そのものであり、「原稿が進まない…」と誰もが苦しむものです。原稿に苦しむ人は、逃避行動として「表紙のデザインばかり何案も作る」「挿入する写真やイラストの選定を延々続ける」ということをやりがちです。しかし、そういうときは思い返して下さい。本文が出来上がらないと、本は絶対に完成しないものだという事を。

 

さて、本文というのは本の主要な内容ですから、もっとも読みやすさに配慮されていなければいけません。

文字組版において、「文章の読みやすさ」は、以下の4つの要素でだいたい決まってしまいます。

  • 文字の大きさ
  • 文字のフォント(書体)
  • 行間
  • 一行の長さ

文字の大きさを考えよう

とくに若い人が最初にやりがちなミスが、「文字が小さすぎる」というものです。小さな文字がびっしりと埋め尽くされた誌面は、緻密な雰囲気があり、本を作った人にこそ「大著を作り上げた」という喜びがあるでしょう。しかしそれは、ただのオナニーでしかありません。

デザイナーの経験則として断言しますが、8pt未満の本文には、読者がつきません。すなわち、読まれません。

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本文に使う文字は、読者の年齢層を考えて決めることなります。児童向けには大きめの文字を、10代~30代までには標準的な大きさを、40代以降には再び大きめの文字を、ということになります。40代以降は「老眼」に悩まされていますからね。

小説・評論本における標準的な文字サイズは9pt

現在の出版においては、本文は9ptが「標準的な大きさ」です。小説本や新書の多くは、9ptが基準になっています。このサイズであれば、老眼のかたでもギリギリ読める大きさです。25年前はどの出版社も8ptが基準でしたが、紙の本を読む平均年齢層の上昇に伴い、現在は9ptが標準になっています。

とはいえ、これはあくまで「小説や評論」の話です。詩集や歌集であれば、もう少し大きくても良いでしょう。

今回、作例は小説本を想定しているので、10ptにしておきます(下図)。多くの皆さんに参加してもらいたい「文学フリマ」なので、60代の方でも読みやすいように配慮しました。

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次回以降は「書体」と「行間」そして「一行の長さ」を解説します