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同人誌の作り方(4)──書体(フォント選び)

書体を選びましょう

文字の大きさを決めたら、書体(フォント)を選びましょう。OpenOffice では、文字をドラッグして選択し、下の画像が示すところでフォントを指定することができます。

OpenOfficeで書体を変更する

本文の書体は基本的に「明朝体」を選ぶことになります。明朝体とは下の図に示すような形をしており、ゴシック体よりは楷書に近いカタチをしています。

フォント、ゴシック体と明朝体

文芸本では、この明朝体に属する書体を使う事が圧倒的に多いです。日本語の文字として読者が慣れていることと、読んでいて適度なリズム感があるので、長文の記述に向いています。ゴシック体を本文に使うのは、情報誌やカタログなど文章量が比較的少ない冊子に見られます。

パソコンに最初から入っている明朝体

Windows には昔から「MS Mincho(MS 明朝)」や「MS PMincho(MS P明朝)」がインストールされています。また、MacOS X には「Hiragino Mincho Pro(ヒラギノ明朝)」がインストールされています。新たなフォントを買う予算が無い場合は、まずこれらを使うのがよろしいかと思います。

游明朝体」も使ってみましょう

Windows 8.1以降、MacOS X 10.9以降では「游明朝体(Yu Mincho)」がプリインストールされており、こちらも明朝体の選択肢に入ります。

游明朝体は「時代小説が組めるような明朝体」をコンセプトにして、文芸単行本や文庫小説などで使われる事を目的にデザインされた、たいへん高品質の明朝体です。

もし、あなたのパソコンが Windows 8.1以降、MacOS X 10.9以降であるならば、ぜひこの「游明朝体」を使ってみて下さい。

本文に明朝体以外のフォントを使うとどうなる?

パソコンによっては様々な日本語フォントがインストールされていることも多く、とくに Microsoft Office をインストールしている方は「創英角POP」をお持ちの方も多いことでしょう。

様々なフォントがあれば使ってみたくなるものですが、本文に「明朝体」以外を使うとどうなるでしょうか。下にサンプルを表示します。

明朝体と比較して、POP体の文章は可読性に劣ります

この例ではPOP体と明朝体を比較していますが、見た目は一目瞭然です。POP体で組まれた文章は、スムーズに読めないことがお分かりになることでしょう。

もともと「POP体」とは、名前の通り、商店の店頭に置いて、商品の値札や案内板(=POP)を表示する為にデザインされています。長文の文章を読ませる為の書体ではありません。

フォント選びには「セオリー」があります

本来、フォントの選び方に「ルール」はありません。デザインする方の自由な発想に任されている部分です。しかしそれでも「セオリー」は存在し、私のように仕事で文字組版をしていても、そのセオリーから外れたことは、あまりしません。

文芸誌の本文は、まず「明朝体」を使うのがセオリーです。そのセオリーを踏まえた上で、写真のキャプションや、脚注・傍注などにゴシック体を使い、章題や大見出しにPOP体などのデザイン書体をアクセント的に使うことが望ましいのです。

フォントを購入してみましょう

本文に使われる文字フォントは、その本の「本当の顔」となる大切なものです。もし、フォントを購入するために1万数千を払っても構わないのであれば、いくつか選択肢があります。

  • 福岡のフォントメーカー・フォントワークスは、「マティスM」という本文用フォントを販売してます(店頭価格・約1万4000円前後)。クセが少なく、組んだ雰囲気がなんとなく優しい印象がある明朝体です。
  • ダイナコムウェアが販売するDynaFont TypeMuseum 3728 TrueType(店頭価格・約1万1000円前後)には「DFP 華康明朝体 W3」が収録されており、こちらも本文用として適しています。
  • 大阪のフォントメーカー・モリサワが販売する MORISAWA Font Select Pack 1(店頭価格・約1万8000円前後)は、多数のフォントから1種類を選んでインストールできます。この中にある「リュウミン R-KL」や「リュウミン L-KL」は、本文用書体として歴史が長く、パソコンで本を作る際の、デファクトスタンダードになっています。