本の作り方 2nd season (2)-初めての「版面設計」

まずは「版面設計」──本のサイズなどを最初に決めましょう

書書籍をデザインする際、最初に本のサイズを決め、次に余白の大きさを決めたりします。これを印刷用語で「版面設計(はんづらせっけい)」と呼び、本の仕様を決める大切な工程です。
あなたがイメージしている本は、どんなサイズでしょう。いわゆる「単行本」でしょうか。それとも「文庫」でしょうか。

  • 単行本・文芸雑誌 ── A5 サイズ
  • 文庫本 ─────── A6 サイズ

が、よくあるサイズです。単行本は A5 を基本にしてますが、本や出版社の違いでサイズが微妙に違います(あなたの本棚にある本を比較してみましょう)。文庫本は、各社ほぼA6に統一されているようです。
いろいろ思いは膨らむでしょうが、今回は A5サイズ を取り上げます。

 Wordの場合

 下図のように、「白紙の文書」テンプレートをまず選択します。

 f:id:bunfreefukuoka:20191102003655p:plain

このテンプレートを選択した場合、サイズは A4 にされています。A4 は書類や雑誌に使われるサイズで、文芸の本には大きすぎます。

そこで、サイズをA5に変更しましょう。

f:id:bunfreefukuoka:20191102004626p:plain

ついでに、縦書き設定にもしておきましょう。

f:id:bunfreefukuoka:20191102011645p:plain

縦書きを設定した場合、紙面が横向きになってしまう場合があります。その時は、「印刷の向き」で縦型に再設定して下さい。(下図)

f:id:bunfreefukuoka:20191102161905p:plain

Pagesの場合

Pagesアプリを起動したら、下図の様に新規書類を押して…

f:id:bunfreefukuoka:20191102005242p:plain

「空白(縦書き)」のテンプレートを選択します。

f:id:bunfreefukuoka:20191102005503p:plain

そして、下図の様に「書類」→「書類」をクリックし、用紙サイズを A5 に指定します。

f:id:bunfreefukuoka:20191102010308p:plain

 

用紙の余白をとりましょう

一般的に、余白が多い(文字を印刷する範囲が狭い)と、高級感や高尚なイメージになり、文学としての静謐さが強調されます。逆に余白が少ないと、情報誌のような満載感が増し、少し賑やかで楽しいイメージになります(下図)。

f:id:bunfreefukuoka:20150606001620p:plain

 文章が主体となる文芸同人誌では、余白を広めにとるのがお勧めですが、あまり広くとりすぎると、1ページあたりの文書量が減ってしまい、ページ数が増えて印刷代が高くなります。また、寒々しい印象を持たれることもあるので、最低でも1cm以上、通常は1.5~3cm程度を目安にすると良いでしょう。

今回は左右と上の余白を2cm、下を3cmにしてみます。

Wordの場合

「レイアウト」→「余白」で、「ユーザー設定の余白」を選択します。

f:id:bunfreefukuoka:20191102162553p:plain

次に、余白値の数字を入力します。

f:id:bunfreefukuoka:20191102162737p:plain

Pagesの場合

「余白」の項目で、上下左右の値を入力します。(下図)

f:id:bunfreefukuoka:20191102163455p:plain

 

これで、A5 サイズ+余白入りの テンプレートができあがりました。次回、ページ番号(ノンブル)を入れる方法をご案内します。

 

(文責:東内)