まずは「版面設計」──本のサイズなどを最初に決めましょう
書書籍をデザインする際、最初に本のサイズを決め、次に余白の大きさを決めたりします。これを印刷用語で「版面設計(はんづらせっけい)」と呼び、本の仕様を決める大切な工程です。
あなたがイメージしている本は、どんなサイズでしょう。いわゆる「単行本」でしょうか。それとも「文庫」でしょうか。
- 単行本・文芸雑誌 ── A5 サイズ
- 文庫本 ─────── A6 サイズ
が、よくあるサイズです。単行本は A5 を基本にしてますが、本や出版社の違いでサイズが微妙に違います(あなたの本棚にある本を比較してみましょう)。文庫本は、各社ほぼA6に統一されているようです。
いろいろ思いは膨らむでしょうが、今回は A5サイズ を取り上げます。
Wordの場合
下図のように、「白紙の文書」テンプレートをまず選択します。
このテンプレートを選択した場合、サイズは A4 にされています。A4 は書類や雑誌に使われるサイズで、文芸の本には大きすぎます。
そこで、サイズをA5に変更しましょう。
ついでに、縦書き設定にもしておきましょう。
縦書きを設定した場合、紙面が横向きになってしまう場合があります。その時は、「印刷の向き」で縦型に再設定して下さい。(下図)
Pagesの場合
Pagesアプリを起動したら、下図の様に新規書類を押して…
「空白(縦書き)」のテンプレートを選択します。
そして、下図の様に「書類」→「書類」をクリックし、用紙サイズを A5 に指定します。
用紙の余白をとりましょう
一般的に、余白が多い(文字を印刷する範囲が狭い)と、高級感や高尚なイメージになり、文学としての静謐さが強調されます。逆に余白が少ないと、情報誌のような満載感が増し、少し賑やかで楽しいイメージになります(下図)。
文章が主体となる文芸同人誌では、余白を広めにとるのがお勧めですが、あまり広くとりすぎると、1ページあたりの文書量が減ってしまい、ページ数が増えて印刷代が高くなります。また、寒々しい印象を持たれることもあるので、最低でも1cm以上、通常は1.5~3cm程度を目安にすると良いでしょう。
今回は左右と上の余白を2cm、下を3cmにしてみます。
Wordの場合
「レイアウト」→「余白」で、「ユーザー設定の余白」を選択します。
次に、余白値の数字を入力します。
Pagesの場合
「余白」の項目で、上下左右の値を入力します。(下図)
これで、A5 サイズ+余白入りの テンプレートができあがりました。次回、ページ番号(ノンブル)を入れる方法をご案内します。
(文責:東内)