現代思想読書会、第二回のご報告と第三回のご案内

現代思想読書会第二回のご報告

場所は福岡市NPO・ボランティア交流センターあすみんの会議室をお借りしての読書会です。ここは交通の利便がよくて、天神から歩いて行けますし、施設もきれいで、とても使いやすい所です。あとで改めてご案内しますが、第三回も同じ場所で開催します。(部屋は前回とは別になります)

初参加者2名、合わせて8名の参加となりました。テーマは「創造の潜在性、出来事について」でした。ひとくちに出来事といっても、テキストではふだん私たちが使っているのと、また別の意味で使われていて、「出来事をこのように考えるのか!」と、とても興味深い話でした。

現代思想読書会

ホワイトボードがありましたので、さっそく使っています。こういうのがあると、イメージを共有しやくなりますね。数学の抽象的イメージも今回でてきました。

現代思想読書会
さすがに濃ゆい内容でしたが、その分率直に自分の意見を出して人に投げかけてみないと、理解が進みづらいかも…と感想を持ちました。

次回参加するときは私も分からないなりの意見を出してみたいと思います!

現代思想読書会第三回のご案内

さてさて、そんなこんなで早くも第三回目となる読書会を開催いたします。

=開催概要=

日時:3月20日(月・祝)

場所:福岡市NPO・ボランティアセンターあすみん(天神クラス4階セミナールーム)、福岡市中央区今泉1-19-22

テキスト:『ドゥルーズと創造の哲学 この世界を抜け出て』 第3章「被造物という監禁状態」

※未読でも参加可能です。前回未参加の方は、前回分のテキスト要約のレジュメをご参考いただけます。

参加申込みはこちらから!

atnd.org

第三回文学フリマ福岡 開催のお知らせ

文学フリマ福岡事務局 代表です。皆様、ながらくお待たせいたしました。
「第三回文学フリマ福岡」開催のお知らせです。

概要は以下をご覧ください。
今回は会場を移し、はじめて「天神ビル」にて開催いたします!
これにより、出店ブースをワンフロアで周ることができます。
ふるってご参加ください!

第三回文学フリマ福岡

開催日 2017年10月8日(日)

開催時間 11:00~16:00(予定)

会場 天神ビル 11F 10号会議室 (福岡市・天神)

アクセス 市内バス…天神各バス停、天神バスセンター下車
     地下鉄…天神駅天神南駅下車 中央口天神地下街 西-2a、西-2b、西-3a
     西鉄電車福岡駅下車
     タクシー…博多駅から約10分 福岡空港から約20分
     ※駐車場はございません。

     天神ビル アクセスマップ|九州メンテナンス株式会社

募集ブース数 約100ブース(予定)

出店者募集期間 2017年5月27日(土)0:00~7月3日(月)23:59

主催 文学フリマ福岡事務局

協力 文学フリマ・アライアンス(東京・大阪・金沢・岩手・札幌・京都・前橋 各事務局)

 

 

※ご協力をお願いします※

文学フリマ福岡ではご協力いただける方々を求めております。

ご連絡は文学フリマHPお問い合わせページよりお願いします。

*TwitterFacebook、ブログなどでの参加表明や告知をお願いします。

* チラシはPDF形式でダウンロードできるように準備する予定です。チラシ配布にご協力いただけるサークル様はダウンロード~プリントアウトし、配布してください。

* チラシ設置・配布をしていただける店舗・団体・サークルその他の皆さまはご連絡ください。

* カタログへ広告をご出稿いただける店舗・印刷業者・作家その他の皆さまはご連絡ください。

* 「第三回文学フリマ福岡」を取材していただける地元メディア様はご連絡ください。

クロノスとアイオーン、二つの時間があやなす出来事(第二回現代思想読書会予告)

読書会当日に使用するレジュメがようやく出来上がりました!現代思想読書会では、読書会を進行するために、テキストを要約したレジュメを用意しています。第1回の読書会では、レジュメを作成した人が要約した内容を発表していって、参加者はそれに別の解釈をあげたり、疑問点を突いたりして、内容を広げたり掘り下げたりしました。今回も似たような進行になるかと思います。

 

今回のテキストでは、創造性をめぐって「見えるもの・見えないもの」(テキストでは「現働的なもの・潜在的なもの」といわれています)という立場から詳しく検討されています。

 

ドゥルーズストア派の言葉を借りて、現働的なものに「クロノス」の名を、潜在的なものに「アイオーン」の名を当てています。どちらも時間の神様ですが、瞬間的な時間か、永遠的な時間か、という違いがあります。

 

瞬間的な時間は、つねに過ぎ去ってゆくような時間で、『徒然草』などの中世の文学作品に代表されるような、いわゆる無常として語られる時間の流れです。文学的には、現実は無常ゆえにまた嘆かわしくもあり、永遠を望みはすれど届くべくもないもの、として扱われることが多いのではないか思います。ドゥルーズ哲学の面白いところは、永遠こそ現実的なものと見なして、常にそこに至るための思考線を張っているところかもしれません。

 

──── はたして現実は無常なのか?永遠なのか?

 

テキストを読むと、そこを見極めるポイントは「出来事」にあるようでした。

 

南方熊楠は「心」(目に見えないもの)と「物」(目に見えるもの)が交差する「事」をもっと研究すべきだと言っているそうなのですが、まさしく、その「事」(テキストでは、出来事)について考察されています。

 

ある出来事になぜ共感が生まれるのか、あるいはなぜ反感が生まれるのか、そのようなことも取り上げられています。

 

文学が出来事の叙述だとすれば、今回のテキストは、意外にも(!?)文学フリマの趣旨に則っているのかもしれません。(ちょっと無理がありますかね汗)

 

そんなわけで、いよいよ次週12日(日)に第2回現代思想読書会を開催いたします。引き続き、参加者募集しておりますので、ご興味ある方はぜひ一度ご参加していただければと思います!

 

atnd.org

第二回現代思想読書会のご案内(再告知)

年が明け、早くも一ヶ月が経とうとしています。寒い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

今回は、ちょうど二週間後に迫った「第二回現代思想読書会」についての再告知です。

以前の記事でもお知らせしましたが、昨年11月開催の第一回現代思想読書会に続き、第二回読書会を開催いたします。

 

=開催概要=

日時:2月12日(日)

場所:福岡市NPO・ボランティアセンターあすみん(天神クラス4階会議室)、福岡市中央区今泉1-19-22

テキスト:『ゥルーズと創造の哲学 この世界を抜け出て』 第2章「現働化した被造物、潜在的創造」

 

ドゥルーズと創造の哲学 この世界を抜け出て

ドゥルーズと創造の哲学 この世界を抜け出て

 

※未読でも参加可能です。

参加のご登録は以下からどうぞ。

 

現代思想という分野に対して、「難しそう……」という印象をお持ちになる方も多いかもしれません。しかし、結構、気楽に参加している人もいらっしゃいますし、それも参加の形の一つです。実際、昨年の第一回読書会では、参加者の半分以上がドゥルーズを未読でした。

そんな中でも、皆、自分の感じた疑問点や感想を素直に伝え合うことで、活発なディスカッションが展開され、大いに盛り上がる読書会となりました。

 第一回の詳細につきましては、以下のフォトレポートからご覧いただけます。

bunfreefukuoka.hatenablog.com

 

 

今回の第二回でも、積極的に意見を述べるのも良し、皆さんの意見を聞いて考えの幅を広げるのも良し、という自由な読書会を考えています。

まだお席に空きがありますので、お一人様でのご参加でも、お誘いあわせでのご参加でも、どんな形でも構いません。どうぞお気軽な気持ちでご参加ください。

(※正確な人数確認のため、複数名でのご参加の場合でも、必ずお一人様ずつの参加登録をお願いいたします。)

 

 

何かと忙しい時期ではありますが、年初めは何か新しいことに挑戦するのにちょうど良い時期でもありますね。

「読書会に興味はあるけど……」と迷っていらっしゃる方もこの機会にぜひご参加くださいませ。

 

不明な点等ございましたら、以下のメールアドレス、もしくはTwitterにてお気軽にご連絡ください。

Mail : fukuoka@bunfree.net

文学フリマ福岡事務局@会場調整中 (@BunfreeFukuoka) | Twitter

 

それでは、皆様にお会いできることを楽しみにしています!

 

第二回現代思想読書会のご案内

もうあと数時間で2017年ですね。みなさん、今年はどんな年になりましたか?

読書・執筆・批評・同人誌の制作および出店などいろんな文芸への親しみ方があって、小説・詩歌・マンガ・アニメ・イラスト・写真などなどの、さまざまなジャンルがありますが、みなさんそれぞれの楽しみ方をされてきたのだろうと思います。

もしまだ同人誌の制作や出店まではしていないという方は、来年はぜひ文フリに挑戦してみませんか?もの作りは大変ですが、完成したときや自分が作ったものを手にとっていただいたときの喜びは味わい深いものですよ。

さて、今回は第二回現代思想読書会のご案内をさせていただきます。

 

=開催概要=

日時:2017年1月9日(月・祝)

場所:健康づくりサポートセンター8F和室A(福岡県福岡市中央区舞鶴2-5-1)

日時:2月12日(日)

場所:福岡市NPO・ボランティアセンターあすみん(天神クラス4階会議室)、福岡市中央区今泉1-19-22

テキスト:『ドゥルーズと創造の哲学 この世界を抜け出て』 第2章「現働化した被造物、潜在的創造」

※未読でも参加可能です。

※前回未参加の方は、前回分のテキスト要約のレジュメをご参考いただけます。

 

参加のご登録はこちらよりどうぞ!

atnd.org

 

 ひとつの本を一章ずつ進めるスタイルで行っているこの読書会ですが、前回はあわや時間内に一章分の内容をやりきれるのか?というぐらい議論が活発にあがり、最後はまきで進行したほどでした。

テキストにさせていただいたドゥルーズと創造の哲学 この世界を抜け出て』は全部で六章あり、現代思想読書会もとりあえず全六回を予定しています。

現代思想がテーマということで、なかには敷居が高いように感じられる方もいらっしゃると思いますが、読書会自体はなにも堅苦しくないといいますか、しゃちほこばったイベントではございませんので、ぜんぜん気軽に参加していただければと思っています。

疑問点があれば遠慮なく、それを言っていただければ、その場のみんなで考えてみるってこともやりますし、また必ずしも発言しなくてはいけないってこともありませんので、人がどんな意見を持っているのかを聴くってのもありです。

(前回や前々回、前々回の読書会の記事なんかもご参考にしていただければ)

 

そんなわけで、第二回現代思想読書会のお知らせでした。

今年一年もおつきあいいただきありがとうございました!よいお年をお迎えくださいませ。

現代思想読書会第一回フォトレポート

読書会、開催

現代思想読書会の第一回は、冷泉荘B棟5FにありますNPO法人ドネルモさんに事務所をお借りして読書会を行いました。ドネルモさん、ありがとうございます。

f:id:bunfreefukuoka:20161205220750j:plain

さて、今回はピーター・ホルワード『ドゥルーズと創造の哲学 この世界を抜け出て』の序章と第一章を扱いました。

ドゥルーズと創造の哲学 この世界を抜け出て

ドゥルーズと創造の哲学 この世界を抜け出て

読書会というと、一冊の本を、と思われるかもしれませんが、色んな形があっても良いな、と思っています。忙しくて難しい本を読む時間があまり取れない人にも参加しやすい読書会を目指してこの形態になりました。

司会太田、ご挨拶

最初に司会・コーディネータの太田からご挨拶です。 f:id:bunfreefukuoka:20161206165510j:plain

ドゥルーズということで、難しく考えがちですが、気軽に考えたこと、思ったことを発言できる会になればと思っています。最初に、文学フリマ福岡スタッフの古賀琢磨が序章と第一章の要約をしていますので、分からないことがあれば、彼に質問すれば何でも答えてくれると思います。

こんなことを言われますと、当然、要約発表者の古賀琢磨はビビりまくるわけですが、平静を装います。うまく出来ていたでしょうか……。 f:id:bunfreefukuoka:20161206165031j:plain

参加者、自己紹介

続いて参加者のみなさん、順々に自己紹介(写真はご許可の頂けた方のみを写しております)です。 f:id:bunfreefukuoka:20161206164800j:plain 色々な方がいらっしゃました。大学院生、社会人、フリーター、何やっているのかよく分からない人……。色んな立場、様々な動機から現代思想を自分たちで学ぼうと集まっていました。

要約発表前半

最初に序章と第一章について、文フリの古賀(琢)から要約を発表します。全体を読んできた人、今回の範囲だけを読んできた人、そもそも読んできていない人、色々います。
f:id:bunfreefukuoka:20161206165626j:plain f:id:bunfreefukuoka:20161206165711j:plain ちなみに、要約発表者は発表の直前、「正直、どのくらいのボールを投げて良いか分からなかった」と企画に参与したくせに泣き言を述べていました。神学や哲学の知識がないので、内容に反映させなかったりしました。実際に要約内容は分かりやすかったのでしょうか……。

質問

要約内容が伝わったかどうかについては、参加者の皆さんの質問の様子をみれば伝わるのではないかと思います。幾つかご紹介したいと思います。

  • 神とスピノザについて、汎神論についての議論を飛ばしてしまうと、ドゥルーズの存在論を理解する上でむしろ分かりにくくなってしまうのではないか?マルクスとの対比を考える上でもその点は重要では?
    f:id:bunfreefukuoka:20161206171030j:plain
  • そもそも切子面ってどういうこと?
  • 全ては神である、自己原因である、思考と物質が同じものであるってどういうこと?
    f:id:bunfreefukuoka:20161206171207j:plain
  • 一義性ってどういうこと?これから重要になってくるワードだからみんなで考えてみたい
  • ドゥルーズが対峙しようとした哲学伝統って何なんだろう?

皆さん、精読の上でご参加くださいましたので、鋭い質問が繰り出されました。 そして、だからこそ、発表者が十分に説明できなかったり、曖昧にしか理解できていないことでも、参加者同士での教え合いが行われることで、理解が進んでいきました。 f:id:bunfreefukuoka:20161206170807j:plain f:id:bunfreefukuoka:20161206171815j:plain 読書会の醍醐味ってこういうものですよね!

休憩

さて、ひとしきり質問が出た後で、後半までの休憩です。本当であれば、序章と第一章の要約を前半で終わらせて、後半ではテクストを読んで考えたことについて話をしたかったのですが、結構、がっつり内容に入りましたので、後半に第一章の途中からの要約を発表することになりました。しばし、ご休憩……。 休憩中に文フリ代表森元から、事務所をお借りしたNPO法人ドネルモについてお話をしています。 f:id:bunfreefukuoka:20161206172924j:plain 他にも参加者の方たちから他地域の文学フリマ文学フリマ福岡の感想を頂いたりしました。

要約発表後半

後半からは、第一章の続きです。発表者は変わらず、内容についてゆっくりとお話していきます。内容について理解する方が中心になっていることに安心して、「類概念と種差」について話をしてみたり、対自性を説明してみたりしています。よせば良いのに調子に乗って専門外のことに足を踏み入れています。雉も鳴かずば打たれまいに……。 f:id:bunfreefukuoka:20161206175857j:plain

質問一覧

発表者が変に調子に乗るとバリバリと質問が飛び交います。

  • 発表者がここで「人がどういう風に考えて行動するか」に落とし込んで例に出してるけど、どうも、その語り方だとスピノザ的なコギトというよりもデカルト的なコギトに聞こえてしまう。分かりにくくなってる気がする
  • 対自性に目覚めるっていう言い方は、近代的主体に目覚めるって意味に聞こえてしまう。むしろ、そういう主体を確立していくことではない道を進んでいく、まず即自性の水準から考えて行くっていうところからはじまっているのではないのでしょうか。

全体の雰囲気

こんな感じで進んでいきました。久しぶりに読書会に参加したのですが、発表者に大したことができなかったとしても、参加者同士の質問や分かりやすい説明、微に入り細を穿つ補足、時には熱い議論によって参加者全体で学び合う場になりました。発表を終えた今となっては、むしろ、大したことができなくて良かったとさえ思っています。 こんな感じのハードだけど、より多くの、ちょっとでも現代思想に興味のある人たちが学べる場を継続していければ、と思っています。第二回は第二章を読むことになりますが、第一回に参加していない方、序章や第一章を未読の方にも今回のレジュメを配布しますので、興味のある方は是非、ご参加ください。

(文責:副代表)