第二回現代思想読書会のご案内
もうあと数時間で2017年ですね。みなさん、今年はどんな年になりましたか?
読書・執筆・批評・同人誌の制作および出店などいろんな文芸への親しみ方があって、小説・詩歌・マンガ・アニメ・イラスト・写真などなどの、さまざまなジャンルがありますが、みなさんそれぞれの楽しみ方をされてきたのだろうと思います。
もしまだ同人誌の制作や出店まではしていないという方は、来年はぜひ文フリに挑戦してみませんか?もの作りは大変ですが、完成したときや自分が作ったものを手にとっていただいたときの喜びは味わい深いものですよ。
さて、今回は第二回現代思想読書会のご案内をさせていただきます。
=開催概要=
日時:2017年1月9日(月・祝)
場所:健康づくりサポートセンター8F和室A(福岡県福岡市中央区舞鶴2-5-1)
日時:2月12日(日)
場所:福岡市NPO・ボランティアセンターあすみん(天神クラス4階会議室)、福岡市中央区今泉1-19-22
テキスト:『ドゥルーズと創造の哲学 この世界を抜け出て』 第2章「現働化した被造物、潜在的創造」
※未読でも参加可能です。
※前回未参加の方は、前回分のテキスト要約のレジュメをご参考いただけます。
参加のご登録はこちらよりどうぞ!
ひとつの本を一章ずつ進めるスタイルで行っているこの読書会ですが、前回はあわや時間内に一章分の内容をやりきれるのか?というぐらい議論が活発にあがり、最後はまきで進行したほどでした。
テキストにさせていただいた『ドゥルーズと創造の哲学 この世界を抜け出て』は全部で六章あり、現代思想読書会もとりあえず全六回を予定しています。
現代思想がテーマということで、なかには敷居が高いように感じられる方もいらっしゃると思いますが、読書会自体はなにも堅苦しくないといいますか、しゃちほこばったイベントではございませんので、ぜんぜん気軽に参加していただければと思っています。
疑問点があれば遠慮なく、それを言っていただければ、その場のみんなで考えてみるってこともやりますし、また必ずしも発言しなくてはいけないってこともありませんので、人がどんな意見を持っているのかを聴くってのもありです。
(前回や前々回、前々々回の読書会の記事なんかもご参考にしていただければ)
そんなわけで、第二回現代思想読書会のお知らせでした。
今年一年もおつきあいいただきありがとうございました!よいお年をお迎えくださいませ。
現代思想読書会第一回フォトレポート
読書会、開催
現代思想読書会の第一回は、冷泉荘B棟5FにありますNPO法人ドネルモさんに事務所をお借りして読書会を行いました。ドネルモさん、ありがとうございます。
さて、今回はピーター・ホルワード『ドゥルーズと創造の哲学 この世界を抜け出て』の序章と第一章を扱いました。
- 作者: ピーター・ホルワード,松本潤一郎
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2010/02/26
- メディア: 単行本
- 購入: 3人 クリック: 18回
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司会太田、ご挨拶
最初に司会・コーディネータの太田からご挨拶です。
ドゥルーズということで、難しく考えがちですが、気軽に考えたこと、思ったことを発言できる会になればと思っています。最初に、文学フリマ福岡スタッフの古賀琢磨が序章と第一章の要約をしていますので、分からないことがあれば、彼に質問すれば何でも答えてくれると思います。
こんなことを言われますと、当然、要約発表者の古賀琢磨はビビりまくるわけですが、平静を装います。うまく出来ていたでしょうか……。
参加者、自己紹介
続いて参加者のみなさん、順々に自己紹介(写真はご許可の頂けた方のみを写しております)です。 色々な方がいらっしゃました。大学院生、社会人、フリーター、何やっているのかよく分からない人……。色んな立場、様々な動機から現代思想を自分たちで学ぼうと集まっていました。
要約発表前半
最初に序章と第一章について、文フリの古賀(琢)から要約を発表します。全体を読んできた人、今回の範囲だけを読んできた人、そもそも読んできていない人、色々います。
ちなみに、要約発表者は発表の直前、「正直、どのくらいのボールを投げて良いか分からなかった」と企画に参与したくせに泣き言を述べていました。神学や哲学の知識がないので、内容に反映させなかったりしました。実際に要約内容は分かりやすかったのでしょうか……。
質問
要約内容が伝わったかどうかについては、参加者の皆さんの質問の様子をみれば伝わるのではないかと思います。幾つかご紹介したいと思います。
- 神とスピノザについて、汎神論についての議論を飛ばしてしまうと、ドゥルーズの存在論を理解する上でむしろ分かりにくくなってしまうのではないか?マルクスとの対比を考える上でもその点は重要では?
- そもそも切子面ってどういうこと?
- 全ては神である、自己原因である、思考と物質が同じものであるってどういうこと?
- 一義性ってどういうこと?これから重要になってくるワードだからみんなで考えてみたい
- ドゥルーズが対峙しようとした哲学伝統って何なんだろう?
皆さん、精読の上でご参加くださいましたので、鋭い質問が繰り出されました。 そして、だからこそ、発表者が十分に説明できなかったり、曖昧にしか理解できていないことでも、参加者同士での教え合いが行われることで、理解が進んでいきました。 読書会の醍醐味ってこういうものですよね!
休憩
さて、ひとしきり質問が出た後で、後半までの休憩です。本当であれば、序章と第一章の要約を前半で終わらせて、後半ではテクストを読んで考えたことについて話をしたかったのですが、結構、がっつり内容に入りましたので、後半に第一章の途中からの要約を発表することになりました。しばし、ご休憩……。 休憩中に文フリ代表森元から、事務所をお借りしたNPO法人ドネルモについてお話をしています。 他にも参加者の方たちから他地域の文学フリマや文学フリマ福岡の感想を頂いたりしました。
要約発表後半
後半からは、第一章の続きです。発表者は変わらず、内容についてゆっくりとお話していきます。内容について理解する方が中心になっていることに安心して、「類概念と種差」について話をしてみたり、対自性を説明してみたりしています。よせば良いのに調子に乗って専門外のことに足を踏み入れています。雉も鳴かずば打たれまいに……。
質問一覧
発表者が変に調子に乗るとバリバリと質問が飛び交います。
- 発表者がここで「人がどういう風に考えて行動するか」に落とし込んで例に出してるけど、どうも、その語り方だとスピノザ的なコギトというよりもデカルト的なコギトに聞こえてしまう。分かりにくくなってる気がする
- 対自性に目覚めるっていう言い方は、近代的主体に目覚めるって意味に聞こえてしまう。むしろ、そういう主体を確立していくことではない道を進んでいく、まず即自性の水準から考えて行くっていうところからはじまっているのではないのでしょうか。
全体の雰囲気
こんな感じで進んでいきました。久しぶりに読書会に参加したのですが、発表者に大したことができなかったとしても、参加者同士の質問や分かりやすい説明、微に入り細を穿つ補足、時には熱い議論によって参加者全体で学び合う場になりました。発表を終えた今となっては、むしろ、大したことができなくて良かったとさえ思っています。 こんな感じのハードだけど、より多くの、ちょっとでも現代思想に興味のある人たちが学べる場を継続していければ、と思っています。第二回は第二章を読むことになりますが、第一回に参加していない方、序章や第一章を未読の方にも今回のレジュメを配布しますので、興味のある方は是非、ご参加ください。
(文責:副代表)
読書会ってどんなの?(11/26(土)現代思想読書会第一回にむけて)
『現代思想読書会 第1回 ドゥルーズについて学んでみよう』まで、あと一週間となりました。
そもそも「読書会に参加したことがない」っていう方も、結構いらっしゃるんじゃないでしょうか?そういう方は、読書会についてのイメージがなかなか湧きづらいかと思われますので、今日はその辺についてご紹介してみたいと思います!
イベントの流れ
ひとくちに読書会と言っても、いろいろあると思いますが、私たちで考えているのは、次のようなものです。
大まかな流れは前回の記事にも書かれてありますが、改めて書くとこんな感じになります。
第一部
①自己紹介
②テキスト要約の発表、およびそれを受けての内容確認
(間休憩)
第二部
③ディスカッション
②についてですが、これはスタッフの方でテキスト要約を準備して、レジュメにしたものを皆さんにお配りいたします。そのレジュメと発表を見聞きしながら、テキストの内容を振り返ります。
他人が要約したものですので、どこかしら自分の読みと違うところが出てくると思いますし、逆に自分と同じ解釈をしてるなあ、と思えるところも出てくるでしょう。そのような違いが、次の内容確認をするときに、語りの出発点になりやすいかもしれませんね。
それで今度は、その発表を受けて、みんなで内容確認をしていきます。先程のような、自分との相違点だったり、あるいは補足的な意見だったり、が一例として考えられます。
「ここは自分は“X”と解釈してるんですが、どうして“A”だと思われたのですか?」
「ここって、たぶん"B”という根拠があるから、こう言ってるんだと思うんですよね」
セリフにすると、こんな感じでしょうか。
もちろん、この例に限らず、発表を聞いているときに、必ずに何かしら思うことがあるかと思いますので、空気を読んだりせずに、その思ったことを発言していただけると有難いです。
ただ注意が必要なのが、相手を萎縮させてしまったり、枠にはめ込めたりするような主張の仕方をしてしまうと、読書会自体がダメになってしまう恐れがありますので、その点だけお気をつけください。
③は、フリーディスカッションの時間としています。
ここでは、基本的に思ったことを口にする時間と思っていただくといいかもしれません。本の読み方に正解というものはありませんので、むしろ気負いせずに発言していい場所ですので(そのための読書会でもあります)、ぜひそれぞれの多様な考え方・解釈の仕方を交流させていきましょう。
会場について
会場はNPO法人ドネルモさんの事務所をお借りさせていただきます。
ドリンクの持ち込みも大丈夫です。
リノベーションミュージアム冷泉荘B55
テキストについて
第一回目のテキストはドゥルーズ研究の著書『ドゥルーズと創造の哲学~この世界を抜け出て~』の序章と第一章です。
ご参加の際は、ぜひご一読されることを推奨いたしますが、未読でのご参加もOKです。
ドゥルーズは現代思想には外せない人物の一人ですが、この本はドゥルーズを包括的に理解するのにうってつけの一冊です。
本の冒頭に
本書の狙いはドゥルーズ哲学の核にまっすぐむかうことである。
とありますが、読者の期待を裏切らない良書かと思います。
研究書なので難しいといえば難しいのですが、分からない所は読書会で投げかけてみて、他人の視点に触れてたりできますので、きっと何か得ることがあるのではないでしょうか?
最後に
今回は定員に達したため既に募集を締め切っておりますが、第1回と題していることからも分かるように、読書会は定期的な開催を考えております。
そのときはまたこちらのブログなどで告知いたしますので、ぜひチェックされてみてください!
それでは、当日お会い出来るのを楽しみにしています!
『現代思想読書会 第1回 ドゥルーズについて学んでみよう』のお知らせ
文学フリマ福岡事務局は福岡でもっと読書会が盛んになれば、と考え、自分たちで読書会を始めることにしました。
今回みんなで読んでみたいと思っているテキストは、
ピーター・ホルワード『ドゥルーズと創造の哲学』(青土社)
です。
当日司会を致します文フリ福岡スタッフ太田が推薦してくれました。
ドゥルーズの研究書で、なかなか読み応えがあります。
一気に読んでしまうのも良いですが、ゆっくりコツコツと読んでいく時間を作っていくのも良いのではないかと考え、第1回は序章と第一章を対象にしようと考えています。
ひとまず、同書の第一章までを読んできていただければ。もしも、時間がなくても、最初に1時間半ほど、レジュメをもとに内容を確認していきますので、そのお話を聞いて議論に参加して頂いても構いません。
概要
日 時:11月26日14:00〜17:00
会 場:NPO法人ドネルモ事務所(福岡市博多区上川端町9-35 リノベーションミュージアム冷泉荘B55)
参加費:無料
テキスト:ピーター・ホルワード『ドゥルーズと創造の哲学』(青土社)
申込先:
『現代思想読書会 第1回 ドゥルーズについて学んでみよう』 : ATND
もしくはfukuoka@bunfree.netまで参加人数とお名前をお知らせください
イベントの流れ
14:00〜15:30 前半「第一章を思い出してみよう」(レジュメを元にした内容確認)
15:30〜17:00 後半「考えたことを共有してみよう」(ディスカッション)
会場を貸してくださいますのは、福岡ポエイチさん会場となっている冷泉荘のB棟5F(つまり、ポエイチさんが開催される棟とは別の方の階段側です)に事務所を構えますNPO法人ドネルモさんです。
第二回文学フリマ福岡 終了しました
「第二回文学フリマ福岡」は盛況のうちに終了いたしました。
出店者、一般来場者合わせて約550名の方に来場いただきました。
出店数としては
第一回は105出店者115ブースでしたが、
第二回は113出店者120ブースでした。
本当にありがとうございました!
皆さま、よい出会いがありましたでしょうか?
昨日の思い出を胸に、またこれからも文芸、創作に取り組み続けていただけましたら幸いです。
イベントレポートの投稿はこちらまでお願いいたします。
ご感想、ご要望、お待ちしております。
文学フリマ福岡事務局では、
11月26日(土)14:00~17:00に読書会を開催予定です。
お申込みはまたATNDでご案内いたしますので、続報をお待ちください。
さて、次回の文学フリマは東京です。ふるってご参加ください。
第二十三回文学フリマ東京
2016年11月23日(水祝)11:00~17:00
東京流通センター 第二展示場にて
約820ブースが出店。
Webカタログは下記から
(文責・代表)
「本の作り方セミナー」フォトレポート ④
文学フリマ福岡事務局にはもっと色んな人たちに同人誌を書いて欲しいという思いがあります。
そこで、これまで「ドウジンノススメ」というイベントを不定期に開催してきました。これと同様のものを「本の作り方セミナー」と題して九州大学図書館さん主催の「Cuter Café」の一環として共同開催致しました。
講義の後半戦のあとも講師が残ってフリートークの時間があります。
普段セミナーの枠の中に収めきれていなかった落ち穂拾いのような時間が始まります。
補足的な説明や参考資料のご紹介の様子です。
実物を触って貰ったりしながらどんな本を作ることができるかを紹介します
そして、文学フリマ福岡事務局のデザイナー東内がどうしてもお話をしたかったお金の話。
どんな風に値段をつけるかについて話をしています。
購入する側の傾向を踏まえて700円の壁などについてお話しています。
値段をつけるということは同人誌活動の継続性を考える上で重要です。
岳夫さんが実際に自分の同人誌での体験を踏まえて値段つけについてお話を補足します。同人誌を作った経験のある学生さんさえもすごく熱心にメモを取っていらっしゃいました。
この他にも、電子書籍ではフォントサイズが変更できるが、その設定はどのように行うのか、といった質問もありました。
九大は元々理系が多く、また伊都キャンパスに文系が移転していないこともあり、理系の学生さんの参加者が多かったのかもしれません。
電子書籍、便利ですもんね。
僕も勉強をする際には、電子書籍も一緒に購入することがあります。
レジュメを作る際に凄く便利なのです……。
落ち穂拾いが終わったところで、「実際の本をどうやって作るか」コーナーが始まります。「大学出版」のような中綴じ本の場合には幾らくらいなのか。
東内さんの面目躍如です。
九大生も引き込まれています。
同人誌としての値段だけではなく、自分にとってよく手に取る身近な本の原価の予想は興味深いのでしょう。
次に「胞子文学名作選」のような特殊な加工をされた本についてのお話。
しきりに「私も作りたいと思っている」と褒めまくる講師東内。
質問コーナー
それぞれの関心に合わせて東内さん、岳夫さん、松岡さんに質問できる時間が設けられました。
デザイン、印刷、自分が作りたい本について、質問したり、思いの丈を述べる時間です。
こんな風に和気あいあいと、しかし、参加者全員が熱心にメモを取りながら話を聞いて学ぶ、そんな良いイベントになりました。
九大生の熱意はかなりのものがあります。
中には第二回文学フリマ福岡に出展サークルとして参加される方もいました。
これから、ここから参加してくださる方もいるのではないか、と期待しております。
最後になりましたが宣伝を。
文学フリマ福岡事務局は、この二人に同人誌制作セミナーを依頼したいと仰る方の窓口にもなります。自分の関わりのある地域では実は文章の達者な方が多い、これからどんどん地域コミュニティを活発にするためにミニコミ誌を作る人が増えて欲しい、同人作家が増えて欲しい、学生が書いたものを本にするという作業に関わって欲しい、という方がいらっしゃれば、是非、文学フリマ福岡事務局にご一報を。
気楽に基本を学べるセミナーを準備しております。
(副代表)