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第20回文学フリマ東京 レポート(1)ブースデコレーション ②

話は文学フリマ東京から少し離れます。
先日、Collage Event Ade2という福岡で開催されたイベントに行ってきました。
その際に「折り本フェア」というものが開催されていたのです。
折り本の色んな作り方が展示されていました。
その奥では多くのサークルさんが折り本を展示してありました。
このとき、とても当たり前のことを思い出しました。
それは「即売会」という場がコミュニケーションによって成り立っていること。
このコミュニケーションが「会話」だけではないということです。
ブースというのは、作者と読者の最初のコミュニケーションが行われる場です。

このことを考えてみるに、ちょっと別の工夫の方向性もあるかもしれません。

・本棚

「本」にとって書棚とは何でしょう。
それは大切に保管する場所であるのは勿論です。
しかし、それだけではなく、最も美しく見せるものではないでしょうか。

本棚というのは「本のアピール」には最適かもしれません。

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いろんな工夫がなされており、語りたいことがたくさんあります。
しかし、今回は冒頭に従ってこの中でも本棚をとりあげたいと思います。
様々なテクストが美しくちりばめられているブース。
ともすればどこに手を伸ばせば良いのか分からなくなってしまいます。
思わず「これを壊したくない」と思ってしまうのです。
そんな読者に対して「ここに手を伸ばせば良いよ」と指示してくれる。
このサークルの本棚はそんな役割を担っているのです。

ブースでは色んなアイテムを使って「ここだよ」と語りかけることもできます。

・ポスター

 言葉を発することなく、言葉を重視することなくメッセージを伝える。
その端的な方法として「ポスター」があります。
図像とフォントの緊張関係によってイメージを伝えていく手段です。
実はかなり高度な方法だと思います。

1つ目のサークルさんはこちら。

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同人誌の表紙自体が美しいので、それをポスターとして使っちゃう。
読者の側からすると気になったポスターが表紙という形で手に入ります。

このレポートでは内容には触れません。
しかし、この表紙と内容が琴線に触れたことだけは告白しておきたいです。
こういう表現方法もあるのか、そうだよな!!と。

2つ目のサークルさんはポスターで雰囲気がばっちりできています。

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こちらも表紙を使ったサークルさんなのです。
敷布と相まって雰囲気がしっかり出ています。
テイストがはっきり分かるので、
「ここにあなたの目的のものがあるよ」と読者に伝わってきます。

ポスターは他のものと組み合わせて雰囲気を演出していけますね。
3つの目にはそんなサークルさんをご紹介します。

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このサークルさんは敷布、棚、コルクボードを活用しています。
ポスターや表紙、ポストカードを活用して演出しています。
かわいらしい絵と相まって、この方法もテイストを伝えてくれます。

とはいえ、表紙をつかったポスターだけが広報手段ではありません。

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新たに絵を描き下ろしているサークルさんもあります。
敷布ではなく、こちらはポスターを用いています。
写真では伝わりにくいかもしれません、申し訳ありません。

淡くそれぞれの色彩が混じり合い、背景を作り上げています。
その中で白抜きで猫やイルカ、そして文字が白抜きになっています。
水彩で明示される背景は作品の持つイメージを伝えてきます。
そして、絵の物語性を進行させるはずの文字や動物たちは陰画です。
物語は陰画のように存在しているのでは、と想像力が働きます。
絵自体が俳句を表現しているのかもしれません。

ポスターのようなものを使えば作品世界を演出できます。
ポスター紹介5つ目のサークルはちょっと変わり種です。
「屏風」と言うべきかもしれません。

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作品の内容を屏風に貼り、演出に用いています。
立ち読み可能な文学フリマでこの演出を行っていることに意義があります。
このとき、そこに文字は文字としての内容性を持ちません。
読ませるためのものではなく図像としてそこにあるのです。
それはポスター的なものとしか言いようがありません。
同時に、文字が存在することだけで意味を持つことは映画的でもあります。
映画館では光が光として存在することに意味を持ちます。
しかし、光の役割は何かを照らし出すのではありません。
むしろ、暗闇を邪魔しないように存在しながら、他の何かを現象させる手段となっていいるのです。

展示の仕方、展示物の工夫によってブースは言葉を発し始めます。
最後にご紹介するのは「大きな声で自分の存在を示す」展示方法です。

・のぼり

そう「のぼり」です。
「私たちはしかじかのものである」「私たちはここにいる」と示すツールです。

 

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こちらの大学サークルさんたちはこのようにサークルの名前を書いています。
でもお高いんでしょう?っていうか、どこで買えるの?
そういった声が聞こえてきそうです。
全然、そんなことはなく、ネット通販で比較的安価に購入できるようです。

文学フリマではたくさんの出店者がいらっしゃいます。
自分たちが存在していることを示すことも重要だと思います。
サークルとして参加していらっしゃる皆さんは、
作者であると同時に出店者でもあります。
お手元の素敵な同人誌を出店者として是非アピールして頂きたいのです。

(文責・副代表)