第2回 同人誌制作セミナー「ドウジンノススメ」 レポート
今回講師をした古賀(岳)です。
6/17(土)に文学フリマ福岡事務局が主催する同人誌制作セミナー「ドウジンノススメ2」が開催されました。
開催場所は、福岡市内にある福岡市文学館の会議室です。
文学に関する施設でこのような事を出来るとは身の引き締まる思いでした。
会場設営で机配置やプロジェクタ準備は順調に終わりましたが、唯一ギリギリまで時間が掛かったのはiPhone/iPadによるKeynoteのリモート操作でした。
いつもはスムーズなのに今日に限って上手く同期出来ない...
誰かにお願いして表示切り替えをするよりも手元操作した方が何かと便利なので...
何とかiPadの方で上手くいったので一安心。
参加者の皆様も集まり定刻の10時より開始。
司会による説明と代表の挨拶後、私による最初の講義「印刷所の使い方」を始めました。
内容は、同人誌を印刷所に頼むメリットから、製本方法や印刷所へのデータ納品方法など、一から同人誌作成を始める為の基本的な話を解説しました。
質疑応答では参加者より鋭い質問がいくつも出ましたので、その中から二つ紹介します。
Q:福岡での同人誌印刷所を教えて欲しい。
A:下記のようにいくつか挙げさせて頂きました。また地域による印刷業者の傾向を解説しました。
Q:初めて印刷所で刷るなら何部が良いか?
A:講師二人にも部数の違いがありますし、人により意見が別れる所ですが、個人的には20〜30部くらいと考えています。
30部でも5時間(300分)の同人誌即売会では10分に1冊は出ないといけません。
初めてでそのペースは中々難しいので、30部かそれ以下で良いのではという考えです。
合わせて在庫を抱えるリスク(スペースの問題、保管や運搬の際に生じる破損)を説明させて頂きました。
5分後の休憩の後に、東内さんによる文学同人誌の作り方の講義がありました。
内容としては同人誌を作る際、縦書きと横書きについて、本のサイズ、用紙の余白の取り方、文字サイズ、書体(フォント)の選び方などを、OpenOfficeでの使用法と共に解説して頂きました。
各解説で商業出版を中心に何故そうなっているか、実に説得力のある説明されていて大変判りやすかったです。
この内容はカテゴリー「同人誌レイアウト」にまとめられていますのでご一読下さい。
質疑応答では、Mac用の縦書きソフトは何があるのかという質問が。
回答として二つのソフトが。一つ目は完全にプロ用ですが。
あと個人的にはこちらも推します。シンプルなので使いやすいですよ。
あとMac標準ソフトであるテキストエディットとPagesの組み合わせでも出来ました。
こちらはまた後日に書けたらと思います。
質疑応答の時間が終わり、閉会の挨拶後にスタッフと参加者で片付けを行い、解散となりました。
今回のセミナーを受講して本を創る切っ掛けになって貰えたらなと思います。
おまけ
スタッフは昼食後、冷泉荘で行われていた福岡ポエイチに行きました。
参加者の方もお見かけして考える事は一緒だなと思った次第です。
文責 古賀(岳)
游明朝とメイリオ、字体の違い
Wondows 8.1 以降、Mac OS X 10.10(YOSEMITE) 以降に標準搭載されているフォント「游明朝」について、文学フリマ福岡事務局では、Twitterや同人誌製作講座において度々とりあげています。
游明朝は、時代小説などを組むことを目標に開発された、質の高いフォントの1つであり、特に縦書きの本を組む場合にはOS標準フォントとして何度かお勧めしてきました。昨日(2016年6月18日)の同人誌製作講座でも「游明朝」について触れたのですが、受講者の方から「游明朝は評判が悪いと聞いていますが…」と質問されました。
今回は、「游明朝体はイマイチだ」と誤解されやすいシチュエーションについて説明します。
游明朝の評判が悪いシチュエーション
游明朝は、コンピュータ向けのデジタルフォントとして開発されました。その開発経緯は、開発元・自游工房のWebサイトで読むことが可能ですので、時間がある方はそちらを読んでみてもいいかもしれません。
游明朝は、「単行本や文庫本などで小説を組む」がそもそもの開発目的です。目的を「小説」としている以上、このフォントは
- 縦書きの日本語組版
- 印刷物
という、2種類の用途を満たす場合に最も美しく表現されると考えて良いでしょう。
Officeソフト等のワープロで「書類」を作る際、現代の日本では横書きが主流になっています。游明朝体が横書きに向いているのか?──についてまずは検証してみましょう。
横書きに向いた書体は、文字を読む人間の視線が「左右に」自然に動くように設計されています。これはWindowsのフォント「メイリオ」で特に強く意識されています。
字体を見比べてみましょう。これは、まったく同じ大きさのサイズを指示した文字です(下図)。
漢字では大した違いは感じないかもしれませんが、かな文字に特徴が有ります。まず、漢字とかな文字の大きさの差は、「メイリオ」よりも「游明朝体」の方が差があることが見て取れると思います。
それだけではありません。かな文字の縦の大きさを揃えた場合、「メイリオ」の横幅は、「游明朝」よりも広いのです(下図)。
この2つの差は、「横書きにおける可読性」に大きく影響します。
日本語のかな文字は、もともと毛筆で縦書きをすることを前提に発展したため、文字のライン取りが縦書きに最適化されています。かな文字は、左上付近から書き始め、左から右下にむかって描き終わる形が多いです。
このため、游明朝のような「漢字とかな文字の大きさに差がある」書体は、縦書きで読んでいても適度なリズム感があり読みやすいのですが、これが横書きでは弱点となりやすいのです。
その反面、かな文字が横方向に幅広い「メイリオ」は、横書きの文字列としてたいへん読みやすいように感じるのです。
メイリオは、Windowsにおける画面表示、特にWebサイトやWord書類による「横書き」を前提にして設計されています。
そのため、日常のコンピュータでの表示では「メイリオ」が美しく、読みやすいと感じるかもしれません。
しかし、文学作品のような「縦書きの印刷物」では、メイリオよりも「游明朝」のほうが、自然な視線の動きで読みやすい──と多くの方が感じるはずです。
このように、フォント(書体)は、使用目的によって使い分けることがあります。もしあなたが、文学フリマに出展する作品を縦書きで組んでいる場合、メイリオか游明朝で迷ったのなら、自信を持って游明朝を使ってみて下さい。
印刷してから、その選択が決して間違っていなかったと感じるのではないでしょうか。
(文責:東内)
第二回文学フリマ福岡出店申込受付開始しました
10月30日(日)開催の「第二回文学フリマ福岡」はただいま申込を受付中です。
募集期間は6月11日(土)00:00~7月19日(火)23:59です。
文学フリマ-第二回文学フリマ福岡開催情報よりイベント概要をご覧の上で出店をご検討ください。
なお、文学フリマWebカタログ+エントリーより申し込みをした情報は後から編集・修正が可能です。
※出店募集開始日について…当初6月18日(土)開始としておりましたが、期待の声にお答えし、一週間早め6月11日(土)開始とさせて頂きます。
なお応募多数で抽選実施となった場合でも、先着順ではございませんので、ご安心ください。
※出店募集締切日について…当初7月18日(月祝)としておりましたが、配布しているチラシで7月19日(火)と表記をしておりました。失礼いたしました。
7月19日(火)締切で統一させて頂きます。変更が重なり、失礼いたします。
ネット回線のトラブルなどで申し込みできなかった場合には救済措置を取りません。
ギリギリでの申し込みはお控えください。
第一回の募集の際には115出店者、125ブースの出店お申込みを頂きました。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
よろしくお願いいたします!
(文責・代表)
【告知】同人誌制作セミナー「ドウジンノススメ2」やります
文学フリマ福岡事務局は、昨年開催しました同人誌制作入門セミナー「ドウジンノススメ」を、今年も下記概要の通り開催いたします!
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同人誌制作入門セミナー「ドウジンノススメ2」
日時:6月18日(土) 10:00~12:00
会場:福岡市赤煉瓦文化館 2階
(福岡市 中央区天神1丁目15番30号)
講師:古賀岳夫、東内拓理
参加費:無料
参加応募方法:こちらのATNDページ上で参加表明していただくか、もしくはメールfukuoka@bunfree.net まで「ドウジンノススメ参加応募」のタイトルで、お名前(ペンネーム可)をお知らせください。
※今回は、前回の内容をベースとしつつ、ご要望がございましたらそれに合わせた内容も盛り込みたいと思います。
ご要望は参加表明時にコメント欄に記載いただくか、
もしくはメールfukuoka@bunfree.netもしくは twitter @BunfreeFukuoka までお送りください。
前回の内容(参考)
①ごあいさつ
②印刷業者の使い方
(1)印刷業者に委託するメリット
お金を払う価値はどこにあるの?
(2)印刷業者の選び方
金額?納期?業者の選び方って?
(3)見積もり
どのくらいお金がかかるの?
(4)印刷業者に発注する手順
実際にどのくらい発注に手間がかかるの?
③レイアウトの考え方
(1)印刷ソフトの使い方
どんなソフトを使えばいいの?
(2)レイアウトの基本的な考え方
工夫をしたらどんな風に見栄えが変わるの?
*主に文章系の同人誌を制作する際のセミナーとなっています。
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文章は書いているけれども同人誌を作った経験がない、これから作りたい方に、お気軽にご参加いただければと思います。もちろん、既に同人誌を作っているけれども基本をもう一度知りたいという方も歓迎です。
前回セミナーのレポートはこちら
当日は、福岡ポエイチの初日でもあります! お時間のある方は終了後に会場の冷泉荘へ赴きませんか(^^*)
第二回文学フリマ福岡 開催決定のお知らせ
文学フリマ福岡事務局は「第二回文学フリマ福岡」を開催いたします。
概要は以下をご覧ください。
第二回文学フリマ福岡
開催日 2016年10月30日(日)
開催時間 11:00~16:00(予定)
会場 都久志会館 4F全室 (福岡市・天神)
バス停天神郵便局前より徒歩約3分
募集ブース数 約100ブース(予定)
出店者募集開始 2016年6月11日(金)~7月19日(火)23:59
※6/11追記:当初6月18日(金)~7月18日(月祝)23:59 としていましたが、変更いたしました。
主催 文学フリマ福岡事務局
協力 文学フリマ・アライアンス(東京・大阪・金沢・岩手・札幌 各事務局)
出店参加のご案内などの詳細は今しばらくお待ちください。
※ご協力をお願いします※
文学フリマ福岡ではご協力いただける方々を求めております。
ご連絡は文学フリマHPお問い合わせページよりお願いします。
*Twitter や Facebook、ブログなどでの参加表明や告知展開をお願いします。
* チラシはPDF形式でダウンロードできるように準備する予定です。チラシ配布にご協力いただけるサークル様はダウンロード~プリントアウトし、配布してください。
* チラシ設置・配布をしていただける店舗様・団体様・大学サークル様はご連絡ください。
* カタログへご出稿いただける店舗様・印刷業者様・教育機関様・地元在住作家様はご連絡ください。
* 「第二回文学フリマ福岡」を取材していただける地元メディア様はご連絡ください。