ドンジンノススメ in 大分

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はじめての福岡県外での開催

ご報告が遅くなってしましましたが、去る6月24日に大分で「ドウジンノススメ」を開催いたしました。今回が通算3回目、福岡県外では初めての開催となりました。

 

「ドウジンノススメ」は文学フリマ福岡のスタッフでもあり、同人誌制作の経験も豊富な古賀岳夫さんと東内拓理さんが本づくりのポイントをレクチャーするイベントです。

 

“はじめてだけど同人誌を作ってみたい”

“経験はあるけどワンランク上の同人誌に仕上げたい”

“わからない所を経験者に質問してみたい”

 

そんな方にピッタリのイベントになっています。何事もはじめてのことには躊躇してしまったりしますが、ポイントを押さえてしまえば決して難しいことではなかったりしますよね。

 

「ドウジンノススメ」でレクチャーしているポイントは大きく2つあります。ひとつはDTPについてで、こちらは東内拓理さんが担当されています。もうひとつは印刷についてで、こちらは古賀岳夫さんが担当されています。

 

共同開催もやっています

去年は九州大学図書館さんと共同で開催させていただいたのですが、今回は大分県在住のぽえまるさんとご一緒に開催する運びとなりました。

 

ぽえまるさんは過去の文学フリマ福岡にも出展してくださっている方で、同人文芸雑誌「点と文」は、視覚障がい当事者の方とコラボして点字を掲載しており、サブタイトルに「散文と詩、文学の可能性をめざして」と掲げています*1

当日の様子

さてさて、前置きが長くなってしまいましたが、当日のイベントの様子についてご紹介してみたいと思います。

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講演の内容をご紹介する前に……、今回はなんと!、ぽえまるさんのご厚意で、参加者全員にノベルティ(特性クリアファイルと栞)を用意してくださっていました。

なんとこれ、クリアファイルも栞も、どうやら木製のようなんです!これはスタッフもビックリのサプライズでした。

このような思いがけないことが起こるのもイベントならではなのかもしれません。ぽえまるさん有難うございました。

 

講義前半:DTPの使い方

というわけで、最初の講義は東内さんによるDTPの使い方についてです。講義の目標は「恥ずかしくない誌面を手軽に低予算」で作ろう、というものです。

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(前半のスピーカー:東内さん)

 

個人制作の同人誌なのですから、極論してしまえば誌面の使い方は製作者の自由だと言うことができるかもしれません。しかしそれを読む側のことも考えますと、やはり誌面作りの際も押さえておきたいポイントっていうのが出てきます。

 

また文章は自分で書いたりする方でも、パソコンやDTPソフトに触れる機会がなかった人も中にはいらっしゃいます。

 

しかし本作りをする上での必要な操作は実は限られていますので、そんな方でも恐らく慣れれば問題ないんじゃないかなあと思うのですが、どうでしょうか汗。

 

このブログでも参考にしていただける記事を上げてありますので、よろしければチェックしてみてくださいね。

同人誌レイアウト カテゴリーの記事一覧 - 文学フリマ福岡事務局通信

 

講義後半:印刷所の選び方

小休憩をはさんで、後半の部のスタートです。

前半ではDTPを使って、印刷するための原稿データを仕上げるところまで説明しています。そして後半では、そのデータをもとに印刷する段階へと入っていきます。

 

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(後半のスピーカー:古賀岳夫さん)

同人誌の製本の仕方は、自分で印刷して作るやり方(いわゆるコピー本になります)と、印刷所に依頼して印刷してもらうやり方があります。

この講義では、印刷所に依頼して制作することを前提にして、“印刷所を選ぶ基準にどのようなものがあるのか”とか“具体的な依頼の仕方”などについてレクチャーなされました。

 

これもはじめての方は、戸惑うことが多いのではないでしょうか?お金もかかることですので、慎重になりたいところでもありますよね。

講師がこれまでに見てきた失敗談なども交えながら、具体的にどうやって印刷所とやり取りすれば良いのかをお話されていて、とても説得力があります。

 

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最後に

傍らからイベントの様子を見ていて印象的だったのは、参加者の皆さん同士が、あるいは参加者の皆さんと講師とが、世代を超えて積極的に交流されていたことです。

講義中も質問も積極的に出ていたり、講義後も同人誌の見本をみんなで参照しながらお話をしたり……

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同人誌を制作すること自体も面白いことだと思うのですが、またそのことを通して、このような交流が生まれることも同じくらい、人によってはそれ以上に価値あることかもしれません。

こういったことも文学の良さといいますか、大きな魅力ですよね。

(スタッフ O)

*1:点字は触覚を刺激するために三次元的で「なければならない」文字です。このために、同じ言語でありながら、異なる表現が行われるために、点「訳」という方法を採用します。この翻訳に似て非なる手法は、私たちに新しい文学作品の「言い換え方」をもたらすものです。これは、視覚による文学体験とは異なる感覚を私たちにもたらしてくれます。
「文字という文学の構成単位」のアプローチは、「障がい者に優しい文学」というお為ごかしではなく、確かに「障がい者とともにあろうとするからこそ可能な文学的試み」と言えるでしょう。